アメリカ駐在の家探しは「現地を走る」が正解(治安・学区・契約)

アメリカ駐在

おはようございました。アラレです。文系 → 部品メーカー → 自動車メーカー(OEM)に転職して、紆余曲折ありながらOEMを複数経験させてもらったりもしました。現在はアメリカ駐在中です。

アメリカ駐在が決まって最初にぶつかる壁、それが「家探し」。
転職の面接より緊張するし、医療保険よりややこしいし、子どもの寝かしつけより長期戦です。

しかもわたしみたいに ベイエリアや東海岸みたいな都会じゃないエリアだと、情報が薄い。
「この街どう?」と聞いても返ってくるのはだいたい、

  • 「場所によるね」
  • 「人によるね」
  • 「慣れだよ」

…全部そうだわ。

ということでこの記事は、**アメリカ駐在(まぁまぁな田舎・車社会・家賃2000〜3000ドル・子どもあり・一軒家希望)**の前提で、家探しのチェックリストをまとめます。
特に力を入れるのは 治安と学区と契約。ここでコケると今後家庭不和が待っています。


まず前提:アメリカの家探しで「理想を全部叶える」は無理

最初に言っておきます。
一軒家で、治安よくて、学区よくて、通勤近くて、家賃も抑えめで、ガレージ付きで、近所も静かで、店も近くて…みたいな物件は、

だいたい誰かの親戚が先に住んでます。

なのでやるべきは、理想の100点を探すことじゃなくて、そこそこの家を見つけること。

僕のおすすめは「条件を3段階」に分けることです。

  • 絶対条件(これないと家庭崩壊)
  • 優先条件(できれば欲しい)
  • 妥協条件(なくても生きられる)

たとえば今回の前提ならこんな感じ。

絶対条件

  • 家賃:2000〜3000ドル(会社の補助と相談)
  • 車社会:駐車場 or ガレージ必須
  • 子ども:治安・学区が優先
  • 通勤:現実的な距離(車で毎日1時間超えは削れる)

優先条件

  • 一軒家タイプ(タウンハウス含む)
  • 部屋数(子ども部屋確保)
  • 最新設備(築浅深厚な配偶者を配慮)

妥協条件

  • 庭(なくてOK。芝刈りがイベント化するので)
  • 閑静な住宅街
  • 見た目のおしゃれさ(住んだら慣れる)

この仕分けを家族で合意しておくと、内見中に揉めにくいです。
揉めると見学の度にオンラインで折衝がはじまるのでホントおすすめしません。


チェックリスト①:治安(結論:車で走って確かめる)

治安って、サイトの点数だけ見ても分かりません。
なぜならアメリカは格差社会で、通り一本で空気が変わるから。

僕が一番信頼してる方法はこれ。

✅ 治安を見る最強の方法:車で現地を走る

徒歩より車。昼より夕方。平日より週末。
できれば「通勤時間帯」と「夜の時間帯」も一回見る。

車で走ると何が分かるかというと、

  • 道の雰囲気(荒れてる/整ってる)
  • 人の動き(散歩、子連れ、ジョギングがいるか)
  • 交通の荒さ(速度、クラクション、無理な右左折)
  • 店やガソスタの雰囲気(だいたいガソスタの雰囲気でわかる)

✅ 芝生は嘘をつかない(見るべきは“公道沿い”)

「家の芝刈り」って、住人の価値観や忙しさでブレます。
でも 公道沿いの芝生の手入れは、地域の管理度合いが出やすい。

  • 歩道が割れて放置されてる
  • 縁石まわりが荒れてる
  • 道路脇の草が伸び放題
  • ゴミ箱が出しっぱなしで倒れてる

こういうのが“当たり前”になってるエリアは、生活のストレスが増えがちです。
逆に治安のいいところでも「家自体が汚い」ことはあります。
だからこそ、外観の豪華さより 街の手入れの均一さを見るのがコツ。

✅ 治安のサイン(現地観察編)

  • 子どもが外で遊んでる/親が散歩してる
  • 夜に街灯がちゃんと機能してる
  • 交差点や公園が荒れてない
  • 車の窓が割れたままの車が路駐されてない
  • 駐車場で「謎の音量の音楽大会」が開催されてない

最後のやつは偏見じゃなくて、体感として“遭遇したら警戒”でいいと思います。
音量で治安は100%測れないけど、心のレーダーが反応するのも事実。


チェックリスト②:学区(学校の“近さ”より、生活の“回りやすさ”)

子どもがいるなら学区は重要。
ただ「学区がいい」だけで選ぶと、家賃が上がって他が破綻します。

ここでおすすめの考え方は、

学区 = 教育 + 生活の安定装置

です。
良い学区は学校が良いだけじゃなくて、周辺の環境(治安・住民層・行政の手入れ)が整いやすい。結果、生活が回りやすい。

✅ 学区を見るときの現実チェック

  • 家賃が予算内に収まるか(ここが最優先)
  • 送迎の導線は現実的か(車社会だと地味に死活問題)
  • 学校行事や連絡に親の関与がどれくらい必要か
  • 近所に同年代の子どもがいそうか(孤独対策)

そして学区調べでありがちな落とし穴がこれ。

「学区が良い=住んでる人も全員優しい」ではない

むしろ“意識高い”が強いと、別のプレッシャーが来ます。
でもそれも含めて「家庭に合うか」。ここは相性です。


チェックリスト③:一軒家タイプの注意点

一軒家は快適です。子どもが走っても床が怒らない。
でも一軒家には一軒家の罠があります。

✅ 駐車場/ガレージ(最重要)

車社会で「駐車場なし」は、生活の難易度が跳ね上がります。

  • 路駐が多い
  • 夜遅く帰ると停められない
  • 冬や雨の日が地獄
  • 盗難やトラブルリスクが上がる

できれば確認したいのは、

  • ガレージのサイズ(荷物置くと車入らない問題)
  • ドライブウェイの幅(2台いけるか)
  • ゲートや照明(夜の安心感)

✅ 庭は「なくてもいい」派に一票

庭はロマン。芝生は現実。
芝刈りは、最初は楽しいけど、だんだん「修行」になります。

  • 暑い
  • 道具を揃える
  • HOAが口を出す地域もある
  • サボると一気に荒れる

庭がない、または小さいのはむしろ合理的です。
子育て中は特に。


チェックリスト④:契約(ここが一番“英語力”より“注意力”勝負)

内見のテンションで契約すると危険です。
アメリカの契約は「読んでない人が負ける」世界観が強い。

✅ 契約前に確認したい項目

  • 家賃(レント)と支払い方法
  • デポジット(敷金)額と返金条件
  • 契約期間(12か月が多い。途中解約の条件)
  • 修理対応(誰がどこまで負担?連絡手段は?)
  • 害虫(ペスト)対応は誰が?
  • ゴミ回収・水道・電気・ネットはどこまで含まれる?
  • 退去時のクリーニング条件
  • ペット条項(将来飼う可能性も含めて)
  • 駐車場のルール(路駐禁止、ゲスト駐車の扱い)

✅ 追加で見落としがちなやつ

  • **ランドリー(洗濯機・乾燥機)**が付属か
  • エアコン/暖房の方式(電気代に直撃)
  • 近所の騒音(裏が幹線道路、線路、工場など)
  • 玄関や窓の鍵の状態(防犯と安心)
  • 住所の配送事情(宅配ボックス、置き配の可否)

そして僕が声を大にして言いたいのはこれ。

契約書は“流し読み”しない。眠くなったら翌日に回す。
眠い状態でサインすると、後から自分にキレます。
めんどくさいときはChat-gptに丸投げしましょう。あと弊社の場合は人事がダブルチェックしてくれます。


内見当日の「現地チェック」テンプレ

内見って焦るので、これだけ見れば最低限OKのやつ置いときます。

✅ 外(周辺)

  • 公道沿いの芝生/歩道の手入れ
  • 街灯の有無、夜の暗さ
  • 路駐の多さ
  • 近所の雰囲気(子連れ、散歩、騒音)

✅ 家(中)

  • 水回り(漏れ、カビ、排水)
  • ドアと窓の鍵(ちゃんと閉まるか)
  • エアコン/暖房の効きそう感
  • 洗濯機/乾燥機の有無
  • 収納(子どもいると荷物増える)

✅ 車

  • ガレージ/駐車スペース
  • 夜の帰宅時に停められそうか
  • 送迎導線(学校・スーパー・病院まで)

まとめ:家探しは「治安を車で見る」「契約は冷静に読む」

最後に、僕の結論をもう一回。

  • 治安は車で現地を走って見る(サイトより現場)
  • 芝生は嘘をつかない(家の芝より、公道沿いの手入れ)
  • 家族帯同は駐車場/ガレージが生命線
  • 契約はテンションでサインしない(眠いときは明日)

アメリカの家探しって、正直ちょっと疲れます。
でも「住んだら慣れる」も半分真実で、「最初の見極めが全て」も半分真実。

だからこそ、この記事のチェックリストで“失敗の確率”だけ下げましょう。
100点は無理でも、致命傷は避けられる。それが大事。あとは家族でしっかり相談しましょう。

その他の準備については以下の記事にまとめています。

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