自動車メーカーの年収はこう決まる!月給、賞与の仕組み・等級の壁を現役社員が解説

自動車メーカー

おはようございました。アラレです。
文系でメーカーに入り、自動車メーカー(OEM)をいくつか経験して、今は海外で働いています。

ネットを見ると、

  • 20代後半:550〜650万
  • 30代前半:650〜750万
  • 係長クラス:700〜1000万

みたいな“年収レンジ”の話はよく出てくるんですが、

  • 月給の中身がどうなっているか
  • ボーナスの計算がどう決まるか
  • なぜ同じ年齢でもこんなに差が出るのか
  • 「等級」とか「アセスメント」がどう絡んでいるのか

ここまで踏み込んでいる記事はほとんどありません。

この記事では、中で働いている人間だからこそ分かる構造として、

  1. 年収レンジの見方
  2. 月給の中身
  3. ボーナスの決まり方
  4. 等級とレンジの関係
  5. アセスメント(昇格試験)の現実
  6. 出世しやすい部署・そうでもない部署
  7. 20代後半〜30代前半で何を意識すべきか

までまとめておきます。
その他の福利厚生、働き方についてはこちらから


1. 年収レンジの実態と「同い年なのに全然違う」理由

まず、よく見るこの数字。

  • 20代後半:550〜650万
  • 30代前半:650〜750万
  • 係長クラス:700〜1000万

レンジとしては「まあそんなもん」です。
ただ、ここだけ見ていると reality からズレます。

ポイントは3つあります。

  • 同い年でも等級が違うとレンジが変わる
  • 残業多い人ほど数字が盛れる(でもそれは再現性がない)
  • 会社によって手当の手厚さがまるで違う

たとえば、同じ29歳でこんな感じのことが普通に起きます。

  • Aさん:等級1つ上がっていて、残業もそこそこ → 年収620万
  • Bさん:等級は据え置き、残業少なめ → 年収540万

同じ“20代後半”でも、
等級×残業×手当で年収が1〜2段変わる世界です。

だからこそ、「レンジだけ見ても仕組みが分からない」んですね。


2. 月給の中身を分解する

年収のベースになるのは当然、月給です。
自動車メーカーの月給はざっくりこんな構造になっています。

  1. 基本給(等級で決まる部分)
  2. 時間外や交替勤務などの変動手当
  3. 住宅・家族などの固定手当

2-1. 基本給:等級テーブルで決まる“土台”

基本給は「何等級か」でテーブルが決まっています。
感覚としてはこんなイメージです(数字はあくまで例)。

  • 等級A:基本給 23〜26万円
  • 等級B:基本給 26〜30万円
  • 等級C:基本給 30〜35万円

同じ30歳でも、

  • 等級Aなら基本給25万円
  • 等級Bなら基本給28万円

くらいの差は普通に出ます。

この“等級×基本給”が、ボーナスの元にもなるので超重要です。


2-2. 残業・交替手当:レンジを一時的に底上げする要素

ここは“盛れる”部分です。

  • 残業20〜30時間/月
  • 休日出勤
  • 深夜・交替勤務(工場系)

忙しい部署ほど、この変動手当で年収が跳ねます。

ただし、中にいる側からするとよく思うのは、

「残業で年収を盛っても、体力的にも精神的にも長くは続かないよね」

ということ。

“残業で見せている年収”は、キャリアとしての再現性が低い。
ここをちゃんと分けて考えないと、あとでつらくなります。


2-3. 住宅・家族・通勤手当:会社差がモロに出るゾーン

ここは「会社によって別世界」レベルで違います。

  • 住宅補助が厚い会社 → 単身でも家賃負担がかなり軽くなる
  • 子ども手当が強い会社 → 子ども1人あたり月数万円レベル
  • 通勤補助が手厚い会社 → 車通勤でもかなりカバーされる

中にいると分かりますが、
額面の年収が同じでも、“手当の設計”で体感年収は全然違うんですよね。


3. ボーナス(賞与)の決まり方

次は気になるボーナスの話。

自動車メーカーの賞与はだいたい、

会社の業績 ×(等級 × 評価)

みたいなイメージで決まります。

計算式は会社ごとに違いますが、ざっくりいうと:

  • 「今年は全体で何ヶ月分出すか?」を会社が決める
  • それを【等級ごとのテーブル】と【個人評価】で割り振る

という流れです。
賞与についてまとめた記事はこちら


3-1. 若いうちは「言われたことをちゃんとしていれば」評価は安定

ここ、誤解されがちですが大事なポイントで、

若手〜20代後半くらいまでは、
部署のトラブルであなたの評価がガクッと落ちることはほぼありません。

  • 言われたことを期限内にやる
  • ミスしたときに隠さずすぐ相談する
  • 報連相がちゃんとできる

このへんをきっちりやっていれば、
A評価〜“その一歩下くらい”で安定する会社が多いです。

「火を噴いたからお前の評価を下げる」というノリは、
今の大手OEMではだいぶ減ってきています。


3-2. 差がつき始めるのは30代前後から

じゃあどこで差がつくのかというと、

  • 30歳前後
  • 等級を上げるかどうか
  • “この人を係長にしても危なくないか?”を見始めるタイミング

ここからです。

評価の中身も、

  • 仕事の量・スピード → 若手重視
  • 改善・仕組みづくり → 中堅重視
  • 部門をまたいだ調整・後輩指導 → 係長候補層

と、「役割の広さ」まで見られるようになります。

その結果として、
同い年でも賞与の係数が変わっていく、というイメージです。


3-3. 具体的にどれくらい差がつく?

ざっくりイメージでいうと、

  • 等級A・評価A → 夏冬トータル 4.8ヶ月
  • 等級B・評価A → 夏冬トータル 5.4ヶ月
  • 等級B・評価B → 夏冬トータル 4.9ヶ月

みたいな感じで、
等級が上がると「同じ評価でもベースが上がる」 作りになっています。

だから、年収でいうと

  • 等級を上げない → 毎年じわじわ
  • 等級を上げる → 年収の“段”が上がる

という違いが生まれます。


4. 等級制度:年収が“段付き”で上がる理由

ざっくり言うと、係長になる前までに
「一般職の中での等級」がいくつかあるイメージです。

  • 一般 等級1
  • 一般 等級2
  • 一般 等級3
  • 係長クラスの等級

各等級ごとに、“このレンジの中で基本給が動く” という帯があります。

例:等級2の帯

  • 基本給 25〜28万円

この帯の中で、
毎年の昇給(+5,000円とか+8,000円とか)が積まれていきます。
ここはもちろん前年の評定によって上振れがあります。

で、あるところで“天井”に近づくと、
「次の等級に上がらないと、これ以上は大きく上がらない」
という状況になる。

ここが俗にいう “年収の頭打ち感” です。


5. アセスメント(昇格試験):レンジを変える唯一のドア

じゃあ等級を上げるにはどうするのか?
そこで出てくるのが アセスメント(昇格試験) です。

会社によって呼び方も中身も違いますが、だいたいこんな感じです。

  • 上司推薦(この人そろそろ上げたい)
  • 書類審査(実績や評価)
  • ケーススタディ・レポート
  • プレゼンやグループ討議
  • 上の人との面談

ここで見られるのは、
「今の延長線で次の任せて大丈夫か?」 という視点です。
※正直、管理職、主任職以外は等級上がっても仕事はたいして変わらないんだからさっさと上げてくれって感じです。


5-1. 何を見られているのか(体感ベース)

ざっくりですが、現場で感じるチェックポイントはこんなところです。

  • 自分の仕事を“構造”で説明できるか
  • 改善を数字で説明できるか
  • トラブルの再発防止を“仕組み”で語れるか
  • 関係部署を巻き込みながら動けているか
  • 報告書・資料のレベルが安定しているか
  • 日常の行動が「任せて安心」ラインにあるか

要するに、
テストのための勉強というより、日々の仕事の積み上げが可視化される場です。


5-2. 受かる人/受からない人の差

  • 普段から改善ネタを残している人
  • 自分の数字(在庫/コスト/率)を常に追っている人
  • 他部署との関係構築をサボっていない人

こういう人は、アセスメント用の資料もサクサク作れます。

逆に、

  • 「なんとなく忙しくしてきただけ」の人
  • 改善を書類に残していない人
  • 全部“頑張りました”で説明しがちな人

は、「説得力のある実績」が出しづらく、昇格が遅れがちです。


6. 出世しやすい部署・しにくい部署のリアル

ここはかなり“中の話”ですが、読者には一番役立つところかもしれません。

6-1. 出世しやすいのは「矢面に立つ部署」

同じ生産管理でも、

  • 購買/需給のように「数字とトラブルの最前線」に立つ部署
  • 経営会議や生産会議で名前が出やすい役割
  • 部長クラスと直接やり取りする場面が多いポジション

は、社内知名度が上がりやすく昇格が早いのが実感です。

6-2. 縁の下系はどうしても評価が伝わりにくい

  • マスターデータの維持管理
  • 決まった帳票の作成・更新
  • 誰かの判断を支える裏側の集計・整理

これらは「超大事」なんですが、
外から見ると何をしているか分かりづらいため、
出世スピードはゆっくりになりがちです。

どちらが良い・悪いではなくて、

「目立つ仕事と、目立たないけど欠かせない仕事があり、
前者の方が昇格はしやすいですよ」

という構造を知っておく、という話です。


7. 20代後半〜30代前半で意識しておきたいこと

最後に、「これから OEM に入る/すでに若手〜中堅で働いている」人向けに、
年収という観点で意識しておいてよかったなと感じるポイントを3つだけ。


7-1. “等級の帯”を意識する

  • 今、自分はどの等級なのか
  • 今の帯の中で、どの位置にいるのか
  • 次の等級への目安はどこなのか

これを人事面談などでそれとなく聞いておくと、
「年収がなぜこの辺で止まっているか」が理解できます。


7-2. 「矢面に立つ経験」をゼロにしない

ずっと裏方で“安全運転”していると、
アセスメントのときに語れるネタが弱くなりがちです。

  • 小さくても、自分が前に出た案件
  • 他部署を巻き込んだ改善
  • 自分の名前で評価された仕事

を、年に1〜2個は意識して作っておくと、
30代前半の昇格勝負で効いてきます。


7-3. 改善は「やる」だけで終わらせず「残す」

改善ネタって、やって終わりにしがちですが、

  • Before/After の数字
  • やったことの手順
  • 再現条件

このあたりまで書き残しておくと、
アセスメント資料や職務経歴書で“何度でも使える資産”になります。


まとめ:自動車メーカーの年収は「年齢」より「等級」と「配置」で決まる

最後に、この記事の中身を一行にすると、

自動車メーカーの年収は「年齢」ではなく「等級 × 配置 × 準備」で決まる

ということです。

  • レンジはあくまで目安
  • 年収の土台は月給(特に等級給)
  • 賞与は若手のうちは安定、中堅から差がつく
  • 等級を上げないとレンジが変わらない
  • アセスメントは“日々の仕事の蓄積”が試される場
  • 出世しやすいのは矢面の部署、縁の下はゆっくり
  • 20代後半〜30代前半でどう動くかで、40代の年収カーブが決まる

このあたりが、実際に中にいて強く感じているところです。

しかし同年代の平均年収などに比べて安定して働きやすいのは間違いないと思います。
昨今の人材難でかつてはハードルの高かった自動車メーカーへの転職も少し容易になってきています。
興味がある人は以下のページにまとめていますので是非参考にしてください。

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