おはようございました。アラレです。
私は文系大卒 → 独立系部品メーカー → 自動車メーカー(OEM)2社を経験し、今はアメリカで駐在しています。
OEM を 2社経験するのはけっこう珍しい経歴です。いろいろ幸運が重なって今に至ります。
制度は似ていても、昇格しやすさ・福利厚生・働き方は会社ごとに全然違います。
この記事では、
①給与(昇給の仕組み)
②福利厚生の“効き方”
③働き方の構造
をまとめています。
給与・昇給:出世しやすいのは“目立つ職種にいる人”
まずは一番気になる給与の話から。
少し前の記事ですが、こちらのサイトでざっくりまとめてくれています。【完成車メーカー・年収比較】トップは安定のトヨタ! 5年前比では三菱自動車が1位 – 自動車業界調査レポート【オートモーティブ・ジョブズ(AJ)】
年収レンジはは以下の通り、年齢別にみると緩やかながら確実に上がっているのがわかります。
- 20代後半:550〜650万
- 30代前半:650〜750万(会社でかなりの差あり)
- 係長クラス:700〜1000万
- 駐在:+100〜200万
ここまでは表に出る情報。あとは残業の多さ+福利厚生で各社で差が出ます。
でも、昇給スピードは昇格スピードに依存します。
関連記事は↓
自動車メーカーの年収はこう決まる月給・賞与の仕組み・等級の壁を現役社員が解説 – 文系が自動車メーカーに転職して苦労するブログ
昇給しやすいのは「数字が強い職種」ではなく「矢面の職種」
つまり “社内で名前がよく出る部署” が強いです。
例
- 生産管理:購買・需給など「生産会議で毎回名前が出る系」は出世が早い
- 調達:取引先との調整が社内外に伝わりやすく評価が上がりやすい
- 営業企画:数字も目立つし企画も目立つ
- 生技・工程:改善効果が大きいと全体に響く
逆に——
■ 昇給しづらい職種
- 後方系の工程管理
- 手配・データ管理
- 社内の縁の下仕事
- 改善より“運用保守”が中心の部署
これらは どれだけ良い仕事をしても “社内可視性” が低いため昇格が遅い。
《関連記事:文系が“年収を伸ばしやすい部署”の特徴》
若手の評価基準は明確、誠実で安定していること
若手〜中堅までは
「言われたことを確実にやる」「予想外のトラブルを起こさない」
これだけで評価は安定します。
部署のトラブルで個人評価が落ちることは基本ありません。
またひとつのトラブルで著しく評定が落ちることもありません。
けど基本的に優秀な人が多いです。巨大な敵とは戦わずにいかに波風を絶たせないように目立つかが勝負になります。
《関連記事:》自動車メーカー 優秀な人多すぎ問題 – 文系が自動車メーカーに転職して苦労するブログ
■ 昇給の“分岐点”は30代前半
ここから評価軸が変わります。
- 若手:期待通りに動けばA評価
- 中堅:自分発の改善や業務設計が求められる
- 係長:横串調整・部下指導・チーム改善
- 主査:事業レベルの改善・企画
30歳前後で**「どの職種にいるか」「どれだけ目立つか」**で昇給曲線が変わります。
つまり、
✔ 文系は“配置”で年収が変わる
✔ 同じOEMでも部署で人生が変わる
✔ 若手は評価安定、中堅から競争が始まる
ここが自動車メーカーの昇給のリアルです。
《関連記事:係長になる人・ならない人の分岐点》
福利厚生:同じ“自動車メーカー”でも効き方は天と地
自動車メーカーは福利厚生が厚いというイメージがありますが、
実際に複数社経験した私からすると
“厚い”のではなく “会社によって効き方が違う” という方が正確です。
《関連記事:自動車メーカーの福利厚生まとめ(比較一覧)》
■ 子ども手当:会社によって破壊力が違う
あるOEMでは
子ども1人あたり月2万円以上 という超手厚い会社もあり、
家族持ちには家計が一気に楽になります。
3人いたら75,000円/月です。シンプルにえぐい
一方、
子ども手当自体が存在しないOEM もありました。
この差だけで年間数十万円変わります。
同じ「自動車メーカー」なのに、です。
社割:仕組みとお得度が全然違う
- A社:本体価格の大幅割引
- B社:購入補助金方式
同じ“社割”でも、お得感はまったく別物です。
上記は似ているような気がしますが、全く別の制度です。個人的には購入補助金制度のほうが嬉しいです。
関連記事:自動車メーカー社員の社割は何%お得?現役がルールと落とし穴を解説 – 文系が自動車メーカーに転職して苦労するブログ
■ 社宅・給食・交通費:若手に最も効く福利厚生
- 社宅が強い会社 → 若手の貯金ペースが急増
- 食堂が強い会社 → 独身者の生活費が削減
- 交通費が強い会社 → 家族持ちに有利
福利厚生を語るときは
制度の名前ではなく“どこに最も効くか” が重要です。
《関連記事:家族持ちに強いOEM/独身に強いOEMの違い》
働き方:配属ではなく“生産計画の波”が忙しさを決める
自動車メーカーの働き方で最も誤解されているのがここです。
■ 忙しさは「部署ガチャ」ではなく
“生産計画の波”で決まります。
■ 忙しくなるパターン
- 需要急変
- 新車のモデルチェンジの頻度/大きさ
- 世界動向によるサプライチェーンリスク
- 品質トラブル
- 天候トラブル
これらが起きた部署が忙しくなります。
《関連記事:繁忙期と閑散期のカレンダーをわかりやすく解説》
H3 ■ 職種別のリアルな忙しさ
● 生産管理
最も“波”を吸収するため、どのOEMでも忙しい。
● 調達
取引先の遅れで忙しさが決まる。外部要因に振り回されやすい。
● 品質
突発対応の破壊力が大きい。来るときは急に来る。
● 物流
計画変更の最後の砦。会社によって夜間対応あり/なし。
■ トヨタカレンダーの本質
「祝日がない」ではなく、
ライン停止コストが高すぎて“祝日が機能しない” のが本質。
- 段取り替え
- 品質保証
- 材料調整
- 取引先との調整
- 設備停止・立ち上げ
祝日レベルの短い休みはむしろ非効率。
だから 長期連休に寄せる構造 になっています。
OEMごとに運用思想は違いますが
“月ごとに忙しさが違う”のは共通点 です。
《関連記事:トヨタカレンダー完全ガイド(祝日が少ない理由)》
文系が“詰む人”と“伸びる人”の違い
■ 詰む人
- 職種の構造を理解せずに入る
- どの部署が目立つかを知らない
- 数字より「作業」で戦おうとする
- 改善文化に適応しない
- トヨタカレンダーの山谷を知らない
■ 伸びる人
- “矢面の仕事”に自ら身を置く
- 改善を再現性まで落とす
- 社内知名度を上げる行動に強い
- 生産計画の波を前提に動ける
- 現場と仲良くする(2社とも共通)
文系でも十分キャリアは作れます。
まとめ:制度は似ていても実態は別物
自動車メーカーは似ているように見えて、
給与・福利厚生・働き方の“効き方”は会社ごとにバラバラです。
ただし以下はどのOEMにも共通していました。
- 福利厚生は厚い
- 若手の評価は安定している
- 昇給は“どれだけ矢面に立つか”で差がつく
- 忙しさは生産計画の波で決まる
- 文系でもキャリアは伸ばせる
この記事は“自動車メーカーの働き方、福利厚生、給与についてまとめました。
どれも他の企業に比べて悪くない数字だと思います。
昨今の働き方改革でブラック企業である可能性はほぼ0です。
20代~30代なら転職の間口も広いのが特徴です。
メーカー出身ならチャンスも多いのでチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
自分の経験を以下の記事にまとめています。



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