おはようございました。アラレです。
5年ほど前に自動車部品メーカーから自動車メーカー(以下OEM)に転職してきました。
現在はアメリカ南部の工場で駐在員をしています。
今日は、そんな私が**「トヨタカレンダー地獄」から「アメリカの休日文化」**に飛び込んで感じたギャップを、語っていこうと思います。
🇯🇵 日本の“祝日ゼロ文化”からの解放(のはずだった)
転職してOEM勤務になって以来、ずっと祝日ゼロのトヨタカレンダー。
ゴールデンウィーク・お盆・年末年始にドカッと休む代わりに、
「敬老の日? 勤労感謝の日? 知らんがな。」というあの独特の文化です。
自動車メーカーで祝日がない?『トヨタカレンダー』制度の実態と文系社員の本音 – 文系が自動車メーカーに転職して苦労するブログ
世間が三連休のとき、自分は普通に会議。
スーパーは混んでるのに、心は空いてる。
そんな生活を数年続けて、ついにアメリカ赴任。
「やった!これで祝日が戻ってくる!」とテンションが上がりました。
——が、現実はそう甘くありませんでした。
🇺🇸 アメリカの祝日は“少なくないけど違う”
アメリカの**連邦祝日(Federal Holidays)**は年間10日ほど。
数だけ見れば、日本(16日)より少ないんです。
「え、やっぱり日本のほうが多いじゃん!」
と思うかもしれませんが、実は本質が違います。
🇺🇸 アメリカ式:「休むかどうかは会社が決める」
州や企業によって採用する祝日が異なり、
「連邦祝日だから全員休み!」というわけではありません。
🇯🇵 日本式:「国民の祝日は全員で休む」
日本は“国民行事”としての祝日。
アメリカは“会社が与える休暇日”。
この文化の違いが、駐在生活で地味に効いてきます。
🏭 OEM駐在員の休日スケジュール(実例)
私の勤務先(南部の某OEM工場)では、
アメリカ現地法人カレンダー+トヨタ式の長期連休を組み合わせた、
いわば「ハイブリッド型」。
| 種類 | 内容 | 日数 |
|---|---|---|
| 連邦祝日 | New Year’s, Memorial Day, Independence Day, Labor Day, Thanksgivingなど | 約10日 |
| 年末年始 | 12/24〜1/1(ほぼ確定) | 約7日 |
| 夏季連休 | 7月または8月の工場休業週 | 約7日 |
| 有給休暇 | 勤続年数により15〜20日 | 15〜20日 |
つまり、休み自体は日本と同等か少し多い。
でも取り方・感じ方がまるで違うのです。
💼 驚き①:「休みは自分で作る」文化
アメリカでは「祝日が少ない」代わりに、
有給休暇(Vacation)を自由に使えるのが常識。
「来週、家族でフロリダ行くから1週間休むね」
「子どものサマーキャンプに合わせて3日休むよ」
こんな会話が普通に交わされます。
上司も「いいね、楽しんできて!」で終了。
日本みたいに「休む理由」を3行で説明する必要はありません(笑)。
ただし——。
日本本社との時差がある駐在員は、真の休暇を得るのが難しい。
こっちは日曜の夜でも、日本は月曜朝。
せっかく海に来てても、Teamsの通知音が「カモメの鳴き声」に聞こえてきます。
🦃 驚き②:感謝祭(Thanksgiving)が“国民的ガチ連休”
アメリカで最も神聖なのはThanksgiving Day(感謝祭)。
11月の第4木曜から4連休がスタンダード。
家族全員が帰省し、七面鳥を食べ、ブラックフライデーで爆買いする日。
日本でいう「お盆+正月+ボーナスセール」が一気に来る。
この週だけは「アメリカ人は全員休む」と言っても過言ではなく、
ラインも止まり、メールも止まり、財布だけが開きます。
駐在員にとっても、一年で最もリラックスできる期間。
ここを狙って旅行する人も多いです(航空券は地獄ですが…)。
⚙️ 驚き③:ラインは動くけど、オフィスは休む
「アメリカ=完全週休文化」と思いきや、そうでもない。
製造現場は祝日出勤が意外と多いです。
理由は単純で、生産ラインを止めるとロスが出るから。
一方、管理職・事務職はしっかり休む。
つまり、職種によって休日の“重み”が違うのです。
現地社員からはよくこう言われます。
“If you don’t use your vacation, you’re wasting your benefit.”
(休まないのは損してるんだよ)
——分かっちゃいるけど、日本人駐在員には難易度S級。
💬 驚き④:有給の残日数を聞かれて焦る
入社面談で上司に「Vacationは何日残ってる?」と聞かれて、
「まだ一日も使ってません」と答えたら、
「え、なんで!? 病気なの!?」と本気で心配されました。
休みを取らない=仕事ができない人という認識。
これ、駐在初期はカルチャーショックでした。
でも逆に、ちゃんと休める文化はありがたい。
「休む勇気」はアメリカで学んだ大きな価値観のひとつです。
📅 日本とアメリカの休日比較
| 項目 | 日本(トヨタカレンダー) | アメリカ(OEM駐在) |
|---|---|---|
| 祝日数 | 約16日(固定) | 約10日(企業により) |
| 長期連休 | GW・お盆・年末年始 | Thanksgiving・年末・夏季 |
| 有給取得 | 実質使いにくい | 取り放題(雰囲気次第) |
| メール文化 | 休みでも届く | 休み中は誰も返さない |
| 雰囲気 | 「みんな一緒」 | 「あなたはあなた」 |
😌 駐在員が感じた“休日の幸福度”
日本の「全員で休む安心感」も良いけれど、
アメリカの「自分で休みをデザインする自由」も悪くない。
たとえば、金曜の午後を“家族時間”にするため早退しても、
誰も何も言いません。
むしろ「えらい!」と褒められる(笑)。
休日の数よりも、休日をどう使うかが問われる国。
それがアメリカです。
🌎 駐在員的まとめ
「アメリカの祝日は少ないけど、心の休みは多い。」
これが私の実感です。
祝日が多いか少ないかよりも、
自分で自分の時間を取り戻せるかどうかが大切。
日本にいた頃は“休む=申し訳ない”だったけれど、
今は“休む=仕事を続けるための戦略”に変わりました。
次に帰任したら、
日本の自動車カレンダーにも「アラレ・リラックスデー」を提案してみようと思います。
(たぶん即却下ですが)



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