自動車業界が好調?従業員への還元はどうなのか 現役社員が解説!

自動車メーカー

おはようございした。あられです。

2年ほど前から自動車メーカー(以下OEM)で働いています。
最近のニュースでトヨタの過去最高益更新とありました。純利益2.8兆円ですよ、どっかの国の国家予算くらいありそうですね(笑)

これでトヨタの株が下がっているっていうから驚きです、どんな予想を市場家はしていたんでしょう。

理由は様々ありますが、基本的に各OEM2021年度の業績はどこも好調のようです。
各OEM爆益を生み出していますが、それらは従業員に還元されているのでしょうか?わたしの生活は楽になるのでしょうか?

OEM内部ではどんな様相になっているのか、ざっくりばっさり説明していきたいと思います。

OEM各社の業績をさらっと見てみよう

21年度決算発表

コロナによるロックダウンや半導体供給リスク等いろいろあるとは言っていますが、決算の蓋をあけてみるとどこも好調です。
まずは国内乗用車メーカー7社についてみていってみましょう。細かく見ても長くなるだけなので、売り上げ台数/売上高/営業利益に絞ってみていきます。

①トヨタ
販売台数:951万台 売上高:31兆3,795億円 営業利益:2兆9,956億円
②日産
販売台数:387万台 売上高:8兆4,246 億円 営業利益:2,473億円
③ホンダ
まだ未発表 追記予定
④スバル
販売台数:73.4万台 売上高:2兆7,445 億円 営業利益:905億円
⑤マツダ
販売台数:125.1万台 売上高:3兆1,203 億円 営業利益:1,042億円
⑥スズキ
販売台数:270.7万台 売上高:3兆5,684 億円 営業利益:1,915億円
⑦三菱自動車
販売台数:80.1万台 売上高:2兆389 億円 営業利益:873億円

ざらっと並べてみましたが、トヨタだけ売上高営業利益率が段違いです。OEMを渡り歩いたことはないので何が同業他社と異なるのかわかりません(笑)

大量生産による効率化と徹底したコストカットが成せる技な気がします。

トヨタ以外はどうなの?

トヨタ以外は3%~4%程度とだいたい同じような値になっています。スズキが少し高いですが、インド市場が主という他社とはちがう市場が関係しているのでしょう。

売上高営業利益率は置いといて単純に営業利益だけをみてもどこのOEMも1,000億円近くの営業利益があります。

1000憶円もあればすこしくらい従業員に還元してもらってもいいのでは!?と思ってしまうのがひとのサガであると思います。前の会社なんて売上が800億くらいでしたから…んでもって赤字

黒字に伴い従業員は忙しくなっている?

赤字でも黒字でも社員は忙しい

この業績の好調に伴って従業員は忙しくなっているのか?というのが気になる方もいると思います。
結論から言いますと、業績や売り上げは業務の忙しさになんの影響もありません。

むしろコロナ渦や半導体供給リスクのおかげで業務はてんやわんやです。

開発などの技術系から工場現場系、物流からITまでみんなこれらに振り回されています。半導体が落ち着いたほうがよっぽど業務は落ち着くと思います。多分その分業績は良くなりますが。

あとはカイゼン・・・OEMの宿命と思うのでこれはがんばるしかないです、しかしこれさえなければ、、、グヌヌ

忙しくてもいいから給与に反映してほしい

私たちの給与への影響は?

今回の業績発表の前に、3月に各労働組合とOEMで春闘がありました。

従業員への還元についてはここでほぼ決まっています。なので今回の業績発表が給与に与える影響ってのはあんまりないのです。

春闘ではベア(ベースアップ)、とボーナスについて組合と会社で協議されます。

ここで各会社の春闘の結果を見てみましょう

  • トヨタ 賃上げ:9,200円 ボーナス:6.9か月
  • 日産 賃上げ:8,000円 ボーナス:5.2か月
  • ホンダ 賃上げ:3,000円 ボーナス:6.0か月
  • スバル 賃上げ:6,400円 ボーナス:5.2か月
  • マツダ 賃上げ:7,000円 ボーナス:5.0か月+3万円
  • スズキ 賃上げ:7,100円 ボーナス:5.4か月
  • 三菱自動車 賃上げ:1,000円 ボーナス:5.0か月

どのOEMもほぼ満額回答です。同じ自動車業界でも結構内部格差はありますね。特に賃上げの部分は各社差が大きいです。

決算的にはトヨタ以外は大差ないのですがこの差はどっからくるんでしょうかね。

賃上げになれば基本給アップすなわちボーナスアップにもつながるので従業員としては非常にうれしい限りです。と思いましたが賃上げと定期昇給の違いが判らん。。。

参考までに自動車業界以外の春闘の結果も見てみましょう。

  1. JR東日本 賃上げ:なし ボーナス:別途交渉
  2. ケーズデンキホールディングス 賃上げ:7,500円 ボーナス:2カ月
  3. 東芝  賃上げ:3,000円 ボーナス:不明
  4. ソニー 賃上げ:不明  ボーナス:7か月

コロナ渦直撃の旅行業界はやはり厳しい結果となっています。ボーナスは例年4~5カ月程度のようです。巣ごもり需要で業績好調のケーズデンキホールディングス、やはり春闘の結果も良好です。

トヨタと同じく過去最高益を記録したソニー、賃上げ額は不明ですが、ボーナスは驚異の豊田越えです。ちなみに一律で賃上げというのはないらしいです。

なんだかんだで業績好調な自動車業界

斜陽産業とは言わせない

一般的にもう自動車業界は斜陽産業と言われています。自動車業界というよりは日本の自動車業界ですかね。。。カーボンニュートラルによるEVへの変遷云々かんぬんということですね。

それでも日本車メーカー特有の品質の高さ+大量生産による効率化によるコスパの良さは今後もそう簡単に崩れないと思います。

トヨタなんてリーマンショックでも黒字ですからね、企業体質がその辺の一般企業とは段違いです。

そう簡単にはくずれない、自動車業界に転職してみよう

他業界の春闘の結果を見ていた思ったのですが、春闘の結果って結局どれだけ労働組合が強いかに依存しています。

もちろん業績も重要ですが、業績が良い=ボーナス爆増とはなりません。 前職は労働組合がない会社だったので賃上げなんてほとんどありませんでした。

いずれにしても高い給与水準にある自動車業界、これは今後もそうは変わらないと思います。 業績連動で大幅アップは見込めないけど安定したい、そんなかたはOEMに転職してみてもいいのではないのでしょうか

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